Discover Designers|HOMMENA
境界線を飛び越え、幸福を与えるウェア
ワードローブに新たな風を吹き込む、フレッシュな彩り。
Lula Japan Webがフィーチャーする、個性に富んだブランドたち。
今回は、個性の表現を核心に添えるファッションブランド「HOMMENA」をご紹介。
HOMMENA
デザイナー 加藤大地が手がけるファッションブランド「HOMMENA」。
衣料品バイヤーを経てエスモードジャポンに入学した加藤は、在学中にパリに留学し、卒業後「BOTTER」や「NINA RICCI」のデザイナーを経験。
2024年秋冬コレクションから自身のブランドをスタートさせた。
各コレクションでは、マスキュリニティとフェミニニティを解釈する独特なアプローチで、多様性という概念すらも超える衣服を展開。
ブランドカラーであるピンクを主軸に、立体裁断を通して独特なシルエットやシェイプを生み出している。
アイテムは日本のものづくりへのこだわりから、国産生地を使用して生産されている。
2026年春夏コレクションでは、自己の認識をめぐる他者との差異に着目。
留学中、異邦人として生活していた加藤は、友人に「もうパリジャンだね」と言われたことに、「認められた」という感情が芽生えたという。
その感覚は自身の「ズレ」を知っているからこそ生まれたものだと考えた彼は、その「ズレ」を自身を構成する1つの要素として捉えた。
今コレクションでは「他者との視線とどう共犯関係を築くか」という視点のもと、その関係をわずかにずらした形を衣服に表現している。
ベージュとブルーを主軸としたベーシックカラーをベースにしたアイテムは、「HOMMENA」らしいワークウェアをベースに、構築的なテーラリングやセンシュアルなムードを重ねたスタイル。
プリーツポケットがついたサファリジャケットやパンツ、滑らかな肌触りの革ジャケットなど、ワークやミリタリーの歴史を宿すディテールにはエネルギーが息づく。
襟のドローコードが前身頃にドレープを作るトレンチコートや、ハンドペイントが施されたショートブルゾンなどは、デッドストック生地を使用して製作されている。
そして今期を象徴しているのは、襟や裾に入った形状記憶のボーンから成る立体的なデザイン。
風が吹いたように浮いているブラウスやジャケットのフロント、はだけたようなシルエットのシアー素材のカットソーやドレスなど、「切り取られた⼀瞬」が表現された。