今コレクションは、ブランドの一貫したモチーフである「制服」が内包する普遍性を歪め、自身の経験や視点と現代社会とのズレを混合させた「幻想的リアリティ」がテーマ。

デザイナー 青木明子は着替えることを内と外を別ける境界と捉え、ユニフォームにおける規制とプライベートな無意識性が混じり合い、異なる要素が地続きに存在する中で生まれる装いを表現した。

アイテムには、ユニフォームの代表例である詰襟をフラットに再構築したスリーブレスジャケットやキュロットパンツなどが登場し、アンドロジナスなコーディネートを提案。

一方で、小さなステンカラーやセーラーカラーのジャケットは、女性の立体的な身体へアプローチするパターンワーク、レース素材との組み合わせが、フィメール・ゲイズを感じさせる。

クラシックな鹿の子素材に立体的なパターンで「捻れ」を作ったポロシャツドレスは、反構築的なドレープで女性の身体を空間的に捉えている。

また今回、既存のシューズラインが初めてメインコレクションに登場。

代表作のスニーカーソールをヒールと共存させた新作「Just a little bit」は、ユニフォームの象徴であるローファースタイルはそのままに、現在の青木が捉える「装い」にアップデートされた1足となっている。

制服が象徴する規制と、多様な価値観の混淆。
「AKIKOAOKI」が現実から見出した幻想に、目を奪われて。



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