Yasuhide Kuge
絵画的に変換された、身体表現生成の瞬間
写真家 久家靖秀による写真集「Mnemosyne」の発売を記念した写真展「MELFOTO>Mnemosyne」が、7月4日(日)までBOOK AND SONSにて開催中。
独特なアプローチから生み出される世界観で、広告や書籍、雑誌など幅広く活躍する久家靖秀。
10年ぶりの刊行となる新作写真集「Mnemosyne」では、身体表現の瞬間を捉え絵画的に変換し、人々の身体、そして個々の記憶や概念との接続を試みた。
デジタルカメラやスマートフォンの進化により、常にピントが合っている状態が普通となった今、ディテールを捨象することで身体を象徴としての存在にし、イメージを観る者の脳内に浸潤させながら絵画的記憶や経験と滑らかに繋げていく。
今展では、写真集「Mnemosyne」に収録された作品に一部新作および動画を加えた、約20点の作品を展示。
画像のイメージ認識と分類の単純な連結を変更し、「作品を鑑賞する場」と「その作品が撮影された時と場所」、そして「鑑賞者の記憶や概念、時に豊かな物語」を繋ぐことを目論む久家の写真。
彼が「MELFOTO(令和朦朧体没線描画写真)」と呼ぶ、ぼかし抽象化されたイメージは私たちの中に溶け込み、過去から未来まで自由に横断する。