Collection|ANN DEMEULEMEESTER 2026SS
スポーツの記憶とロマンスを重ねたコレクション
「ANN DEMEULEMEESTER」の2026年春夏コレクション「THE SOLITARY ONE」から、心惹かれるルックをピックアップ。
クリエイティブ・ディレクター Stefano Galliciによって発表された今コレクション。
少年時代に過ごしたバスケットコートの記憶や、音楽と共にあった私的な情景を起点に、勝敗や均一性から距離を取る「孤高なる者」の姿を描き出している。
Galliciが語るのは、遠回りの道を選ぶ人々への共感。
「Pride and Prejudice(高慢と偏見)」と「Wonderland Avenue(ワンダーランド・アベニュー)」という、時代も背景も異なる2つの物語に宿るロマンスが、互いそして自らを壊すことなく人を愛そうとする感情として、今コレクションの空気に重ねられた。
そこには彼のバスケットボール選手への憧れや、必ずしも勝者である必要はないというヒーロー像も静かに息づく。
コレクションは、ロマンティックなテーラリングとアスレティックなコードの対比を軸に展開。
エンパイアラインのドレスとカレッジスポーツのショートパンツ、コルセット風トップとパッチワークデニムやハンドスケッチのTシャツが組み合わされ、洗練された佇まいとして現れる。
繊細なシルクに寄り添うのは、レースアップブーツや汗染みを思わせるジャージー、ブラック・オン・ブラック、オフィサー・レッド、ダスティローズのブロケード、ロウデニムに重ねたウォッシュドホワイト。
それらの色彩は、色褪せた記憶と競争意識、そして甘く苦い感情を物語る。
アクセサリーには、バスケットコートと田園風景を行き交うイメージから生まれたヘッドバンドや羽根飾り、ヴィンテージソックス、ほどけた靴紐などのアイテムがラインナップ。
感情を映し出すスタイルとして提示された。
遠回りの道に宿る、揺るがない意志。
ロマンスと衝動が交差する装いに、そっと身を委ねて。
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03-6721-0406