AKANE UTSUNOMIYA 2023SS
写真から影響を受けた新鮮な調和
「AKANE UTSUNOMIYA」が2023年春夏コレクションを発表した。
今回のコレクションは前回に引き続き、写真家のRobert Mapplethorpeの財団「The Robert Mapplethorpe Foundation」による作品群から抜粋した写真を起点に展開。
さまざまな年代やジャンル、手法で綴られた、一見規則性がないように見える作品たちには、フェティッシュの花、コラージュといったキーワードが浮かぶ。
デザイナーである蓮井茜はそれらのキーワードに共通する「対象物を構図として捉えるメープルソープのアプローチ」というテーマを掲げ、服作りへと転換。
写真から受け取る要素をディテールとして凝縮し、素材やデザインを探求することで「AKANE UTSUNOMIYA」らしいスタイルへと融合した。
今シーズンを象徴するフラワープリントは、ギリシャ人テキスタイルデザイナーのKLAUSがMapplethorpeの鮮明な描き方とは対照的にポピーをポップに描き出したもので、ブランドオリジナルのガーゼコットンにプリントされ、ワンピースやパンツ、ロングスカートとなってルックを彩る。
また、ブランド初の「AU」モチーフのモノグラムプリントも、象徴的なワンピースやクラシックシャツとしてお目見えした。
ダルメシアンの写真から生まれたユニークなパターンのキャミソールニットは、超長綿と海島綿をミックスした糸で編み上げられた、上質で遊び心のあるアイテム。
オパール加工により有機的なリズムを加えたシルクウールのツーピースや、ラミネート加工を施したレザーのような素材のベストとワンショルダースカートなど、Mapplethorpeの写真は素材のバリエーションにも影響を与え、無骨なシルバーの金具に厚めのレザーで作られたメンズライクな褐色のベルトがコレクションのアクセントとなっている。
そしてルックでは、年代や国籍の異なる2人の女性が、同じアイテムを用いながら異なるスタイリングで登場している。