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“Empire on Spiritual Frontier” by David Lynch

“Empire on Spiritual Frontier” by David Lynch
デヴィッド・リンチが築いた、精神的辺境の帝国

Top Photo:
David Lynch, untitled (England 15: 31), (late 1980s – early 1990s) archival silver gelatin print, 11” x 14”Ed. 11

映画監督や脚本家、プロデューサー、画家としてさまざまな表現活動を行うDavid Lynchの展覧会「デヴィッド・リンチ_精神的辺境の帝国」が、GYRE GALLERYにて、4月19日(金)から6月23日(日)まで開催される。


1946年にアメリカ・モンタナ州で生まれた、David Lynch。
映画監督としてのキャリアの前に、Oskar Kokoschkaのもとで絵画を学ぶためオーストリアへ渡るも、街の綺麗さに自身の中での創作意欲が萎え、わずか15日間でアメリカへ帰国。

その後、フィラデルフィアのPennsylvania Academy of the Fine Artsに入学し、工業地帯にあるモルグ(死体置場)の隣に居を構える。


腐敗し崩壊したこの地には、教会に行く途中で突然暴漢に襲われて命を落とした隣人の親子や、工業地帯の至る所にある水たまりの同じ場所にずっとたたずんでいる青年、廃線になっている線路にいつも耳をあてている労働者、走っている車の窓ガラスを次々に素手で血まみれになりながら激しく割り続けている男など、
闇に包まれたストレンジ・ピープルが棲息しており、Lynchはそこから多大なインスピレーションを得て映画製作に集中する。


5年の歳月をかけて自主制作した「Eraserhead」で映画監督としてデビューした後、彼は「Wild at Heart」や「Mulholland Drive」など多くの優れた作品を生み出し続け、数々の賞を獲得。

また、映画製作と同様の強度で絵画制作にも取り組み、絵画や写真、彫刻といったアートワークによる大規模な個展も開催されている。


David Lynch, untitled (Berlin 5356: 35) , (1999) archival silver gelatin print, 11” x 14”Ed. 11



David Lynch, SMOKER HEAD, (2011) mixed media on paper, 14 3/4” x 14 3/4”



David Lynch, untitled (New Jersey 13: 7), (c. 1986) archival silver gelatin print, 11” x 14”Ed. 11



Lynchの創作活動の基礎となるのは、非日常的な意識が生まれている場所に到達し、人間の無意識に一貫して流れる重低音に耳を傾けている時に見る、夢の描写。

暗く不安を掻き立てるシュルレアリスティックな作風でありながら、彼の目的は悲観的に人間を描くことではなく、人間の複雑で神秘的な意識や夢に迫り、日常に埋没している自らの潜在的意識と出会うことにある。


今展は、Lynch自身がキュレーターの飯田高誉と話し合いを重ね、「精神的辺境の帝国」というコンセプトに合わせて直接作品を選定。
初期の実験映画「Eraserhead」とその制作現場のフィラデルフィア工業地帯に関連した選りすぐりの作品群による、Lynchの創作の原点を見据えた展覧会構成となっている。


世の中の動きに翻弄されることなく、創作に挑み続けるDavid Lynch。
精神的辺境の帝国に、深まってゆく闇と混沌の原点が見える。

GYRE GALLERY 03-3498-6990


【“Empire on Spiritual Frontier” by David Lynch】
DATE:4月19日(金)~6月23日(日)
TIME:11:00am~8:00pm
PLACE:GYRE GALLERY
ADDRESS: 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
ADMISSION FREE
WEBSITE:gyre-omotesando.com

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